85

この3連休に、おじいいちゃんが亡くなりました。
85歳でした。
ので、M瀬さんと約束してた名古屋にも行ってません。

先週ぐらいから、鼻からミルクを流し込むことでぎりぎり生きてる感じでした。聞いた話によるともう一ヶ月ぐらいほとんど何も食べないようになってたらしくて。26年しか生きてない俺があさはかに思いをめぐらすとおじいちゃんはだんだん足腰が悪くなってきててトイレに行き着けなくなってたらしいので、家族に迷惑かけないように食べるっていう選択をとらないようになったんじゃないかと。
おじいちゃんは昔のひとのイメージそのまんまの人間で、まじめで頑固で人に迷惑かけるのをひどく嫌がる人でした。そんな人なんで自ら食事を断つなんでことしちゃったし、可能だったんじゃあって思います。
先週お見舞いに行った時も『もういい』とか『ありがとう』ってやせ細ってちっちゃくなった体から声を出してました。そんときに既にもうひと月も持たないとか言われて、帰りの電車でそうなった時のこと考えてみても『寂しいけど、葬式では泣かないだろうなあ』って思って、こんな薄情な孫に嫌気がしてました。
で、実際、臨終のEメールが親から届いて駆けつけても、あんまし実感なくて、周りもお通夜や葬式の準備で大わらわで。つーか、あのお通夜とかお葬式に手間が多いのは、きっと悲しみを忙殺するためだなって大忙しで思ったより悲しそうでない親とかおばあちゃん見てて思いました。
お葬式のとき。俺ら、兄弟はおじいちゃんの一人娘の孫なんで、かわいがってもらったし心配もしてもらいました。いろんな所にも連れてってもらったし、初めて一人で新幹線乗って遠出したのもおじいちゃんちでした。そんなこと思い出してたら、寂しいとか悲しいとかじゃなくて懐かしい気持ちになってました。で、親が遺族の代表の挨拶の中で『天寿を全うしたと思います』って言ったとき、『ああ、おじいちゃん、ハッピーエンドやなー』って、あったかい気持ちになって、もうぼろぼろ泣いちゃいました。


おじいちゃんの人生のほんの一部の登場人物だったけど、ハッピーエンドに立ち会えてよかった。